顔や体にできる色素斑…いわゆる「シミ」について。

一般的に「シミ」と言っても、その中には肝斑,雀卵斑、老人性色素斑、ADM(後天性メラノサイトーシス)、脂漏性角化症、炎症後色素沈着などいろいろなものがあります。

「シミ」の病態

種々のシミの原因はそれぞれ違いますが、基本的に「シミ」というカテゴリーに入るものの病態(色の形成)は全て同じで、肌中に過剰にメラニンがあるということです。

メラニンとは

メラニンとは、肌や毛髪、眼等に存在する黒褐色の色素のことです。私たちの髪が黒いのも、目の色が黒いのもメラニンによります。人種にかかわらずどんなに白い人でも必ず肌中にはメラニンはあります。

例外的にマイノリティとしてアルビノといわれる先天的にメラニンができない方もいます。

☆メラニンはシミの原因になるため諸悪の根源のように言われますが、実は肌を守る重要な役割を担っています。

メラニンの役割

太陽などからの紫外線を浴びると肌の細胞のDNAが傷つき破壊され、結果皮膚癌などを発症する可能性が高くなります。しかし、メラニンはこの紫外線を吸収して肌を守ってくれるのです。日焼けをして黒くなるのは、長時間紫外線を浴びたときに皮膚がメラニンを作って、細胞を守ろうとしているからです。

肌のターンオーバー(新陳代謝)

人間の表皮というのはいくつかの層によって成り立っていますが、その最下層に位置する基底層という部分にあるメラノサイトが紫外線やホルモンの影響など様々な刺激を受けると皮膚を守ろうとする防御機能が活性化し、メラニン色素が作り出されます。

皮膚の細胞は、通常約28日周期で新しい細胞に生まれ変わる「ターンオーバー(新陳代謝)」を繰り返しており、基底層にある細胞は分裂して皮膚表面に押し上げられ、最後は表面からはがれていきます(アカがはがれ落ちるようなイメージ)。紫外線を浴びて作られたメラニンも皮膚のターンオーバーにより排泄されるのですが、さまざまな原因でメラニンが過剰に作られたり、ターンオーバーのサイクルが乱れて新陳代謝が滞ると、本来はがれ落ちるはずのメラニンがそのまま滞って「シミ」となってしまうのです。

「シミ」の原因

シミのできる原因は過剰に生成されたメラニンによるものですが、このうち大半は紫外線によるものです。紫外線のほかにはホルモンバランスの崩れや睡眠不足、剃刀負けやにきび痕などの皮膚への刺激、その他加齢による代謝力の低下などがシミができる原因となります。

メラニン過剰生成

  • 長時間にわたり紫外線を浴びる
  • 擦ったり、掻いたりなどの摩擦の刺激
  • タバコやストレスによって増える活性酵素の刺激
  • 外傷や熱傷、ニキビなどによって皮膚に炎症が起こりそれにより色素細胞が活性化される

メラニン排出低下(新陳代謝低下)

  • 加齢(皮膚細胞の再生能力低下)
  • 紫外線による肌ダメージ(光老化)
  • ホルモンバランスの異常
  • 睡眠不足や栄養不足、過労などによる血行不良

シミの治療

一言で「シミ」といっても、原因や症状の異なるさまざまなものがあります。

「老人性色素斑」

「光線性花弁状色素斑」

「脂漏性角化症」

「肝斑」

「雀卵斑(そばかす)」

「ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)」

「炎症後色素沈着」

「平坦な母斑細胞母斑(ほくろ)」

等などシミの種類にもいろいろとありそのタイプによって適している治療法は異なります。

ですからまずはどのようなタイプであるかの診断をし、それに適した治療を行う必要があります(この診断が違っていると全く効果が無いばかりか症状が悪化することもあります)。

その適した治療はそれぞれのページにて・・・。

ただし!まずはわたくしがいつもいつもいつもいつも言っていますが

 “予防に勝る治療なし!”

です。

「シミ」ができないように・・・予防法

①日焼け止めはしっかりと塗って!帽子、日傘、衣類などを活用して重装備で紫外線は防ぐように!

②睡眠不足を解消するために規則正しい生活を送る!夜遊び中止!

③食べ物の好き嫌いとかあかん。栄養の偏りは是正する!

④過労やストレスがあるのなら十分な休息を取って体をいたわってあげて!

⑤タバコ・・・フッ、アカンに決まってるでしょ!電子タバコもダメ!

⑥適切なスキンケアを!肌に合わない化粧品の使用は肌に慢性的な刺激を与えることにつながるんだから。