今日はフラクショナルレーザーという治療機器のお話をします。

スキンリサーフェシング

「スキンリサーフェシング」という治療があります。これは古くなった皮膚を取り除き、新しい皮膚に入れ替える治療のことです。よく知られているものとしてケミカルピーリング等がそのカテゴリーに含まれ、一昔前は「ブルーピーリング」という超強力なピーリング剤を用いた方法がよくされていましたが、21世紀になって「フラクショナルレーザー」が登場してからは、一気にこれがリサーフェシングの主流治療になりました。

フラクショナルレーザー

フラクショナルレーザーは、肌表面に微細なマイクロレーザービームで極小の穴をあけて皮膚深部に熱ダメージを与え皮膚の深部からコラーゲンを増生させ皮膚の再生を促すというものです。

正常組織に囲まれた開けた穴の組織が徐々に新しい組織に入れ替えるということで、副作用やダウンタイムを大幅に抑えつつリサーフェシングの効果を段階的に得ることができるというという革新的な手法です。

この処置はまあわかりやすく言うと手塚治虫先生の“火の鳥”のイメージです。

つまり100年に一度自ら(=肌)を火で焼いて(=レーザーで穴開けて)その炎(=痛み)の中から再生(=リサーフェシング)することで永遠に生き続ける火の鳥・フェニックス(=ツルツルの肌)ということです

フラクショナルレーザーの素晴らしいところ

これまで治療が難しいとされていた症状にも対応

ニキビ跡の凹凸や毛穴の開き、小じわ、妊娠線などの傷跡などさまざまな皮膚症状に対応できます。

       照射前                照射後

効果の実感が早い

フラクショナルレーザーを照射すると、数日後に目に見えないくらいの細かいかさぶたができ、その後約一週間で自然に剥がれ落ち、その下から再生された肌が現れます。フラクショナルレーザー一回で、皮膚の15〜20%が入れ替わるとされています。

一回の治療でさまざまな症状を改善

フラクショナルレーザーは皮膚の生まれ変わりを促すため、一回の治療で一つの改善だけでは無く、さまざまな肌トラブルを同時に改善します。

米国では小じわ、たるみ、肌の若返り、しみなどの加齢現象に夜皮膚症状対して用いられることがく、日本ではニキビ跡、毛穴の治療に用いられることが多いです。

フラクショナルレーザーのイマイチなところ

ダウンタイム

照射直後~数日間にかけて、肌に赤みや腫れが現れます。また、細かいかさぶたができるため、肌にざらつきも感じ、ファンデーションも粉が吹いたような仕上がりになります。個人差もありますが、これが1~2週間程度続きます。

照射時に痛みがある

フラクショナルレーザーは皮膚に小さな穴を開けることで効果を出しますから、照射時にはそれはもう相当に強い痛みがあります。とりあえず照射前に表面麻酔を行いますがそれでも照射中に熱感やピリピリとした痛みを感じます(もちろんガッツと根性があれば麻酔なしでも行うことは可能です)。また、照射後も強い日焼けをした後のようなヒリヒリとした熱感が続きます。

複数回の照射が必要

肌のハリや弾力の回復は1回でも感じられる人が多いのですが、ニキビ跡や傷跡、深いシワなどの治療には少なくとも2~3回の照射が必要です。症状の状態によってはそれ以上になることもあります。

フラクショナルレーザーの副作用

  • 治療による赤み→3−14日ほど続きます。
  • 痂皮化(かさぶた化)→7—14日ほど続きます。
  • むくみ、腫れ→3−7日ほど続きます
  • 遅延する赤み→自然に消えますが数ヶ月ほどかかることもあります。
  • ニキビ形成→照射後数週間はニキビができやすくなります。
  • 炎症後色素沈着→これも赤みと同じで傷が治った後に出る事がありますが徐々に薄くなっていきます。

等が挙げられます。

当院で使用しているCO2フラクショナルレーザー

フラクショナルレーザーにもいろいろなメーカーからいろいろな機種がでていますが、当院ではシネロンキャンデラ社のCO₂RE(フラクショナルモード搭載 炭酸ガスレーザー コア)を導入しております。

よくある質問

年齢制限はありますか?

 特にありませんが、相当痛いのとツヤッツヤのお肌には必要ないのであまり若い方はしません。

痛みはありますか?

 タバコを押しつける、いわゆる根性焼きくらい痛いです。顔全体に根性焼きですね。

施術時間はどれくらい?

 痛みに耐えられる程度にもよりますが、連続で照射できれば15分くらいで終わります。

ダウンタイムはありますか?

治療直後より、赤み・熱感・腫脹がでますし、その後かさぶたになり剥がれるという経過がありますから、すくなくとも1週間~2週間程度のダウンタイムは考慮必要です。

メイクはいつから可能ですか?

当日はメイク、スキンケアはできず、翌日から可能となります。ただし、肌をこするなど強い刺激は避けてください。

赤みはどれ位続きますか?

処置後から赤みが強く表れ、3日~2週間程持続します。

何回治療が必要ですか?

個人差もありますから必ず何回照射せねばならないなどの決まりはありませんが、通常は5回ほどすることが基本です。もちろん1回の治療だけでもそれなりの効果は期待できます。

治療の間隔はどれくらいですか?

1~2ヵ月に1度程度のペースとなります

治療後で気を付けることはありますか?

皮膚を清潔に保ってください。また、色素沈着を避けるために治療期間中できるだけ刺激(擦ったり、日焼けなど)は避けるように心がけてください。